輸出を意識したニッチ作物
ゴマはウクライナの作付構成ではまだほとんど目立たないが、その経済性は注目に値する。ゴマ種子、ゴマ油、タヒニ、ハルヴァへの世界需要は安定しており、世界生産量はすでに年間六百万トンを超える。ウクライナにとって、これは狭いながらも魅力的な機会である。ゴマがヒマワリやトウモロコシに取って代わるわけではないが、技術を習得した農家にとって高収益のニッチになり得る。
最も有望なのは、気候条件が作物の要求に近い南部地域である。実際には、多くの農家が一、二ヘクタールから慎重に試し、その後五、六ヘクタールへ広げている。これは合理的な進め方だ。ゴマは即興を許さず、清潔な圃場、五月の水分に合わせた播種、損失と成熟度を見極めた収穫が必要になる。
収益性は高いが、自動的ではない
魅力は明確だ。大量作物と比べ、ゴマは小面積から高い収入を生み得る。特に食品原料や油糧原料の買い手にアクセスできる場合、その価値は高まる。世界的な食のトレンドも需要を支えており、ウクライナ産はスーダン、インド、ミャンマー、タンザニア、ナイジェリアなど従来の供給国以外を探すトレーダーにとって関心対象となる。
ただしリスクもある。ゴマは土壌を消耗させるため、同じ圃場への再作付けには六、七年程度の長い輪作が必要とされる。雑草管理、播種密度、収穫時期にも経験が要る。農家や投資家にとって、ゴマは短期の投機ではなく、農学、加工ネットワーク、輸出規律を組み合わせる事業分野である。
