ウクライナでは二〇二六年一月一日から電気自動車に対する課税の仕組みが変わる。議会財政委員会のトップは、現在のような大規模な税優遇は戦時下の予算状況を踏まえると長く続けられないと説明しつつ、電動化の流れ自体を止める意図はないと強調した。
これまで、新車と中古車の多くが付加価値税や物品税の免除を受けており、市場立ち上げには効果的だった。一方で、高価格帯の輸入車への恩恵が大きく、財政負担も無視できないレベルに達している。
二〇二六年以降の方向性
示されている方針から判断すると、改革の主なポイントは次の通りだ。
- 特定カテゴリーの輸入電気自動車については、段階的に通常の付加価値税率を適用;
- 価格の低いモデルや公共交通・物流向けの車両には、一定期間の優遇措置を維持する可能性;
- ハイブリッド車・プラグインハイブリッド車については、名目ではなく実際の排出量に応じた課税へ;
- 一部の税制優遇を、国内での組立や充電インフラ整備などの投資と連動させる。
つまり、単純な「全面免税」から、産業政策と結び付いた選択的な支援にシフトするということだ。
市場への影響とプレーヤーの視点
個人ユーザーにとっては、一部のモデルで購入コストが上昇する一方、法人フリートやリース、カーシェアといった形での利用が増える可能性がある。充電事業者やサービス会社にとっては、税率そのものよりも、長期的なルールの安定性が重要になる。
輸入業者やディーラーは、二〇二五年末までにどこまで在庫を積み増すか、それとも新制度に合わせてラインアップを調整するかという判断を迫られるだろう。
財政需要とグリーン移行の折り合い
電気自動車の課税をめぐる議論は、戦時経済における典型的なジレンマを映し出している。すなわち、防衛と復興のための税収を確保しつつ、エネルギー転換と大気汚染対策も進めなければならないという点だ。
今回の方針は、電動モビリティを依然として戦略的セクターと位置付けながらも、「誰に、どのような条件で」支援するかをより厳密に定義しようとする試みといえる。
